介護職の方へ

初詣になると思い出すこと

お正月が来ると思い出します。

以前、80代後半の女性の方と老人ホームから成田山に初詣に出かけたときのことです。バスで成田山に着き、お賽銭をするため向かおうとした時、前に立ちふさがる何十段もの階段に唖然としました。するとその80代の方が「あー、大変だね。もうここで良いよ、上までなんて上がれないからさ」とおっしゃりました。確かに、私もその階段を見上げて、これは大変だなと感じました。ただ、いつも私は思います。「高齢者の方に明日はない」と。

その後、私はこのままここで終わらせるべきか、他に何か良い方法がないかを少し考えました。そこで、ひらめきました。「●●さん、折角だから上までいきましょう!私がおんぶしてあげるから!」と私が言うと、その方は「え!いいよ、いいよ。大変だから」と言われました。それでも私は、「大丈夫、大丈夫。折角ここまで来たのだから自分の手でお賽銭を入れよう!」と私が言うと、「悪いねー、本当に良いの?」と言って私はおんぶをし、何十段もの階段を一歩一歩転ばぬように上まであがりその方は自分の手でお賽銭を入れて拝んできました。

「ありがとう、ありがとうこれが最後かもしれないね」と目に涙を浮かべて感謝してされていました。

介護職についていて思うことは、本当に元気だった方が次の日、出勤すると夜中に急変し救急車で運ばれ返らぬ人になってしまうことも少なくありません。ですので、介護職に就かれてている皆様は、『高齢者の方は今日が最後かもしれない』を常に頭において1日1日悔いのないようなサービスを心がけていただければと思います。