介護経営の心得

中川修子が語る「介護」への想い①

紹介センターとしてスタート

今から17年前の平成8年、私が老人ホームの入居相談員をしていた頃、法人ホームを探している方々が「どこに相談すれば良いの?」と困っている様子を多く見かけました。当時、市役所は民間の施設の場合、リストは見せてくれますが、具体的に施設の特徴や、良し悪しまでは教えてはもらえません。

そこで私は「民間の老人ホームを専門に紹介する情報センターを立ち上げようと!」と思い、今まで相談員として経験したことや学んだ知識を活かして失敗しない老人ホーム選びのお手伝いができればと考えました。そして、平成8年11月に「有償ボランティア老人介護情報センター」を立ち上げました。

今では高齢者施設を紹介する紹介センターのようなものがありますが、その当時はまた介護保険制度もスタートしていない時代でした。ケアマネージャーもまだ存在しておらず、本当に沢山の方が相談の来られました。

自分で動くことの大切さ

私は不動産の資格である宅地建物取引主任の資格を持っており、老人ホームの紹介だけでなく、不動産のことや相続のこと、老人ホームへ入居する時の引越しのお手伝い、お墓や葬儀の生前予約や介護用品の紹介など、あらゆる生活全般の相談にスピーディに乗ってきました。

ただ、当時はまだ今よりも老人ホームや施設が少ない時代だったので、「100%満足のところはないですよ」と伝え、出来る限りその方にあったホームを紹介していました。しかし、ある施設では満室になった途端にサービスが悪くなったり、オーナーが次々と変ってサービス内容や料金が都度変わったり、以前のスタッフが全員入れ替わった…と言うようなことを多く経験しました。私は「もうどこにも紹介できない!」と言う状態に陥りました。

理想のホームをつくりたい

それでも理想の介護への思いを諦めることはありませんでした。「理想のホームをつくってほしい」と施設の立ち上げのコンサルタントを任せてもらい、成功させました。そのような経験をさせてもらっているうちに自分で本当に理想とするホームを立ち上げたいと思うようになり、「自分がどこまで理想に近づけるかやってみよう!」と平成14年に初の老人ホーム「ハッピーニューライフ東船橋」を立ち上げました。

会社には営業マンもおらず、初めは入居者の募集には苦労しましたが、今ではどの施設も満室に近い状態を維持できています。ただひたすら「入居者様にとって居心地の良いホーム」「ヘルバーさんの働きやすい環境づくり」をモットーに頑張っていました。

どのホーム(デイサービス)でも入居者様が自然体でゆったりと過ごされ、入居者様やご家族からだけでなく、行政や地域のケアマネージャーの方からも「良いホームですね!」と言っていただいております。11年間も「クチコミ」だけで運営してこられたらのは日々頑張ってくれている職員、周りで支えてくださる色々な方達、入居者様のご家族のおかげだと改めて感謝しております。

小規模施設へのこだわり

第2弾の老人ホーム「ハッピーニューライフ市川北方」は8室(バストイレ付き)、第3弾老人ホーム「ハッピーニューライフ市川真間」は5室(専用面積51坪)というとても小規模なホームです。フグ料理屋を改装したデイサービス「ネスト実籾」も毎日定員10名です。

最近では大規模な施設がどんどん増えている中、私たちは理想の家庭的なホームを目指す余りにどんどん小規模な施設を運営するようになってきました。家族のように暖かく、きめ細かな対応をするためには小規模な介護の仕方が一番です。私たちの小さなホームの入居者様や職員は、親戚同士のような絆で結ばれていて、本当に新しい『家族』となっています。また、小規模だからこそできることを色々企画してスタッフ共々一緒に楽しんでいます。

認知症になっても、車椅子になっても、重い病気にかかっても、大規模施設でよく見られる標準的な枠内に留めようとする介護ではなく、一人ひとりと向き合う「満たす」介護が出来るようにと思っています。