介護経営の心得

改めて、良い「老人ホームとは」について考える

理想と現実は全然違う

以前私が、独立する前につとめていた、有料老人ホームでは、当時、入居相談員を始めたばかりの私に「入居金を何千万も払ったのだから、そりゃあ素晴らしいサービスをしてくれるんだろうな!」と入居者様から言われました。その期待を裏切らないサービスを現場のスタッフが提供してくれることをただただ願うばかりでした。

しかし、期待とは裏腹に、私が目指す「理想の介護とは…」とは遥かにかけ離れたものであることが在職年数を増すごとに見えてきてしまいました。

具体的には…

1.ホーム長の異動があった時、スタッフ全員が辞め、以後、日勤のスタッフが一人になり、入居者様がとても不安がってしまったこと

2.廊下で平気でオムツを換えられ、とても戸惑った顔をした人がいたこと

3.看護師に「一日位お風呂に入らなくても死にはしないよ!」と言われ、カンカンに怒っていた人がいたこと

4.入浴時、一本の歯ブラシで全員の歯を磨いていること… などなど

人権も何もあったもんじゃない。あまりにも酷い現場を目の当たりにして、もうこれ以上このホームに入る人を募り、お世話をすることは自分には厳しく、苦しいことになりました。理事長にこのことを告げ、辞職したい旨を伝えました。そこで、返ってきた言葉は「目をつぶってくれ…」でした。更に訴える私に返ってきた言葉は「片目をつぶってくれ…!」でした。

もうこれ以上働けない…と心から感じ、自分で動くことを決意しました。

理想を追い求め、突き進む

自分の理想にどれくらい近づけるか?私について来てくれる人はいるだろうか?の不安の中独立して、まずは正しい情報を伝えていきたいと思いました。「プツンプツンの介護ではなく、元気な方から終の住み処、施設入所までトータルでお世話できる会社を設立した。「こんなサービス待っていた!」と予想以上の反響でNHKやマスコミ、講演会でこれでもかという程取り上げていただきました。

そして、数年後、数か所の老人ホーム設立のコンサルタントを経験した後、ハッピーニューライフ東船橋を立ち上げました。その名のごとく、ハッピーなニュー(新しい)ライフ(人生)を送ってほしいとの願いがこもっています。