中川修子が綴る「介護ブログ」

介護予防教室 第7回「お薬について」

5月は「お薬について」を薬剤師さんに来ていただいて学習しました。

皆さんから出てきた言葉は、

  • 骨粗しょう症の薬をずっと飲んでいるけど、ちっとも数値が上がってこない。もう飲むのやめちゃおうかしら!
  • 引っ越しをしたので、まだどの病院へ行けばいいのかわからないので、高血圧の薬を飲むのを今、止めている。
    (血圧測定時高い数値)
  • コレステロールの薬を飲んでいるけど、薬を飲んでいるから大丈夫よね、何食べても…。
  • 膀胱炎になった時、友人の薬をもらって飲んだことがある。
  • 旅行に行ったとき、あんまりいびきがうるさくって皆から嫌がられたので、ある方が
    「これ飲みなさいよ!」
    といって睡眠薬を飲ませたら静かに寝てた…。


等々、皆で「えーっ‼」と驚きの声が上がり、薬剤師の先生も「怖い‼」とおっしゃっていました。

皆さんもよーくご存知だと思いますが、飲む薬は少なければ少ないほど良いそうです。

薬は肝臓や腎臓で代謝をしているわけで、高齢になってくると出される薬も多くなり(多剤併用という)、肝臓や腎臓の機能も落ちてくるのでそれらの臓器に溜まりやすくなり、効果が強く出ることもあるようです。

弊社の老人ホームに入居してきた方も、本当にスーパーの袋いっぱいのお薬を持っていらっしゃるのが常で、入居してからホームの担当主治医が少しずつ少しずつ様子をみながら減薬してくださるので、「何の薬も飲んでないよ」という入居者さんも多く「私より元気!」と笑っています。

そうですよね。一人暮らしの時は、

CASE1
朝食もおみやげにもらった温泉まんじゅう一個で済ませていたり、食事も不規則だったり、バランスもとれてなかったりで
便秘になる
便秘薬を飲む
でも老人ホームに入居すれば
規則正しい生活をし、食事を摂れば
便秘薬は不要になる

CASE2
夜になると淋しくて不安になって睡眠薬を飲む
老人ホームに入居すれば
夜間もスタッフがいてくれて巡回もしてくれるし、コールで呼べばすぐ来てくれるから安心して眠れる
睡眠薬はいらない

ある入居者さんが一人暮らしをしていましたが、自分が入院中、一階の出窓から空き巣に入られたことがあったそうです。
それからは怖くて、まだ明るい午後4時ごろから訪問介護に来ているヘルパーさんが帰るときに、雨戸を全部閉めてもらうことになりました。

暑い夏などクーラーをつけないといられないので、ずっとクーラーをつけて就寝。
体が冷えて脚の神経痛もひどく、ちょっと物音がすると目が覚めて、いつもぐっすりは眠れなかったそうです。

その方が弊社の老人ホームに入所されたのですが、二階の南向きの部屋は夏でも心地よい風が通り抜け、お昼寝も窓を開け自然の風を浴びながらすることができます。

そうすると、入居してしばらくして、
「ぐっすり昼も夜も眠れるようになりました。脚の神経痛も良くなってきました。」
と。
この方はクーラーのせいで体が冷え、体の不調や脚の神経痛が起きていたようです。

毎回いろいろなテーマで「予防教室」を行っていますが、究極のところ元を正せばすべて「生活習慣」に行き着くのです。

話は元に戻って、やってはいけない薬のことをまとめてみましょう。

  1. お薬にばかり頼るのではなく、生活習慣も見直してみましょうね!
  2. お薬は決められた量を決められた時間に飲みましょう!
  3. お薬はコップ1杯の水で飲みましょう!
    (例外もあり)
  4. 「食前」とは「食事直前」ではありませんよ。食事の30分前ですよ!
  5. お薬は6種類以上飲むと危険ですよ!
  6. 勝手に自己判断で断薬(飲むのをやめること)、減薬をしてはいけませんよ!
  7. 自分の薬を人にあげたり、人のものも貰って飲んではいけませんよ!
  8. 薬は正しく保管、古いものは捨てましょうね!
  9. 自分の体をよく観察して、副作用が出ていないか注意しましょう!
  10. 漫然と継続処方されている薬は、時々検査をしてみるなど見直しが必要ですよ!
    [実例]
    1.血圧高くないのに下げる薬を飲み続けて低血圧になっていた
    2.コレステロールがもう正常値よりかなり低いのに下げる薬を飲み続けていた
    などなど

皆さん、お薬をなるべくなら飲まない健康な体を目指して頑張りましょう。

今、薬を飲んでいる人は、勝手に急に飲み止めないでくださいね!