介護保険制度の理解を!
最近、「相続」だの「遺言」だのの勉強会をよく見かける中、
「介護保険の勉強会」や「家族介護の勉強会」が少ないように思います。
超高齢化社会が謳われている今、
「介護になったら、ヘルパーさんに来てもらうんだ!」
「介護になったら、老人ホームに入るんだ!」
って思っている人のいかに多いことか・・・
Aさんのケース
ご主人が突然入院をし、介護保険を使うことになったAさん。
「介護保険の申請をしてきてください」
と病院で言われたが、どこへ行けばいいのかも知らず、
「どこへ行けばいいんですか?」
という状態でその方に教えていただく。
「『要介護5』が出ました」
といわれても、それって重いのですか?軽いんですか?という状態。
「ケアマネさんを決めてください」
といわれても、ケアマネさんて何?という状態。
ほとんどの方が必ず戸惑ってしまう、介護保険の利用スタート時の関門・・・。
Bさんのケース
介護保険がスタートしたころ『要介護5』といわれた方の奥様が、
「要介護5の利用限度額は、いつ誰の口座に振り込まれるんですか?」
と質問されたことがあった。
「在宅介護をする家族のための介護教室の開催」を!
赤ちゃんが生まれてくる時に受ける『母親学級』のようなものを、在宅介護者の為にも開くべきだと私は思います。
初めて出産するママさんたちも、この研修でいろいろなことを学び、不安をなくし、安心して出産できます。
介護についてはどうでしょう?
相談にみえる方のほとんどが、
「初めてなので、どうしていいかわからない・・・。」
と話されています。
ケアマネさんも忙しいので、じっくり一つ一つ丁寧に教えることも難しいのが現状でしょう。
介護保険利用のスタート時は、とにかく契約書がたくさんあって、
「もう面倒くさくて、こんなことやってられねえよー」
と怒りだす方もいらっしゃる程です。
(サービスが多ければ多いほど契約書も多いのは事実)
介護保険スタート時は、本当にヘルパーさんを家政婦さんと勘違いし、
『何でもやってくれる人』と思われて、
- 家族の分まで食事を作って欲しい
- 家族の分まで洗濯をして欲しい
- 娘たちや客が来たらお茶を出して欲しい 等々
色々な要求が発生し、その都度説明してご納得していただくのが大変でした。
私の会社も平成8年5月のスタート時(介護保険が始まる前)、
“お客様のわがままを聞いてあげたい”
という理念をかかげていたので、これを打ち消さなければならないため、当初は
「前と違う、会社が変わった」
といわれ、つらい思いをしました。
やってあげたくても介護保険ではやってはいけないことが沢山あったのです。
今でも、「介護保険」のことをきちんと勉強してほしいと思っています。
ケアマネはいつでも中立な立場で!
そこで、ケアマネさんの力量が問われることになるのです。
ご利用者様と事業所とで、ずれが生じることがたまにあります。
そんな時、ケアマネさんが中立の立場で“神対応”ができるかにかかってくるのです。
ケアマネの研修で、
「ケアマネはどっちの味方もしてはいけない」
「中立の立場でいなくてはいけない」
という言葉が頭に焼き付いています。
「ケアマネは、ご利用者様の味方だけしてもダメ」
「事業者の味方だけしてもダメ」
ケアマネさんのかなりの力量が必要とされているのです。
もっと現場がスムーズに気持ちよく動くように
「老老介護」や「介護難民」という言葉が出てきている今、介護をするのはヘルパーさんだけでは手が足りていないわけです。ですから、ご家族もある程度「介護者」になれるようになって欲しいと思うのです。
- 介護保険について知る
- 食事の介助の仕方
- 排泄介助の仕方
- 車イスの押し方やベッドの移乗 等々
を学ぶ仕組みを早急に作るべきではないのでしょうか?
私は、今、目の前にいるKさんから取り組んでいきたいと思います。
もちろん、ケアマネさんと連絡を取り合い、傍らについて見守ってあげたいと思います。家族のように。
ちなみにKさんは、私の「中川流介護予防教室」の生徒さんです。
突然入院されリハビリ中のご主人に、食事がまずく「早く家に帰りたい」と訴えられていました。
余談ですが、私の母が入院していたとき病院の先生に
「ここのご飯はまずい!」
と訴えたら、その先生が顔をこわばらせ
「病院のご飯は美味しい食事ではなく、体に良い食事を出しているんです‼」
といわれたのを思い出します。
最初は「自宅は無理」と思っていたKさんも、あまりにもご主人が「家に帰りたい!」と訴えるので、とりあえず「一旦、家に連れて帰ってみよう!」ということになりました。
当然、Kさんはとても不安がっています。でも、何かと事あるごとに気軽に相談してもらい、
「大丈夫、ケアマネさんや私がついているから!」
と応援しています。
「在宅介護」のスタート
平成31年3月22日
まずは以下のメンバーでご主人のベッドを置く部屋のリフォームの打ち合わせです。
- ケアマネさん
- 福祉用具屋さん(リフォームも併せて)
- Kさん
- 私
後日、リフォーム屋さんに見積もりに来ていただきます。
平成31年4月22日
次に、リフォームをする部屋のずっしりとした重いテーブル(120×120くらい)とベンチ(3人掛けと2人掛け)、1人用イスを移動しなくてはなりませんでした。
かなり重いため、引越し屋さんを手配し、その下に敷いてあった分厚いじゅうたんも同時に処分していただきました。
Kさんは、
「引越し屋さんがゴミも今日持って行ってくれるの?」
と驚かれていました。
「ゴミ捨て場まで、これ重たいからどうやって持っていこうかと思っていたのよ」
といわれ、私が
「そう。そういうことを知っていると助かるでしょう。」
と返すと嬉しそうな顔をしました。
後は、リフォーム屋さんが来るのを待つだけです。
安心して在宅で介護ができるために、この『在宅介護をする家族のための介護教室』を、Kさんから具体的にお手伝いしていきたいと思います。
次回ブログにつづく