中川修子が綴る「介護ブログ」

1、他力本願

先月、「他力本願」のお話をしましたが、介護保険でも度々遭遇することがあります。
自分で出来ることをヘルパーさんにやってもらっていることに対して、「あっぱれ!」という出来事がありました。

老人ホームで「シーツ交換の日」には介護度によっては“一緒に行う”という基本ルールがあります。その基本通り、シーツを取り換える際に、入居者さんに手伝ってもらっていたのですが、急に入居者さんに「なんで私が手伝わなければならないの~」と言われてしまいました。

すかさずヘルパーさんは、「え?何をおっしゃいますか!〇〇さんがやらなくてはならないことを私がお手伝いさせていただいているのですよ!」と優しく返すと、「あら、そうなの?!」とご納得いただけました。

本当に利用者の皆さんの中には、ヘルパーさんをお手伝いさんの代わりと勘違いされている方が中にはいらっしゃいます。現場ではそれをどのようにご本人に納得していただくかがヘルパーの力量だと思います。

一方、介護保険では手を出してはいけないこともたくさんあります。
そういったことを頼まれるとヘルパーさんは困ってしまいます。
ビシッ!と「それは出来ません!」と言うのは簡単なのですが…。

私が以前、別の会社から引継ぎを受けた一人暮らしの男性のご自宅に伺ったときのことです。玄関口に猫のトイレの砂利があったのですが、その上に“猫のフン”がそのままの状態でカチカチになっていました。ハエも集っているようでした。

「猫を飼っているのですか?」と私が問うと、「もうとっくに死んだよ」と答えるのです。
「ではこの“フン”は?」と言うと、「それは介護保険ではやっちゃいけないだろう。。。」と淋しそうな顔をしていました。
でも衛生面上絶対“ダメ”でしょう!?
私は、保険のサービスが終了してからその“フン”の後始末を「ボランティア」として処理して帰りました。それまでにも何人ものヘルパーさんが入っていたそうなのですが本当に悲しい出来事でした。