中川修子が綴る「介護ブログ」

1.介護予防教室

私の母は、もう既に天国に旅立っていますが、
私の心の中では生きていてくれているので、
白い花ではなく、ピンクの花をお仏壇にいつも飾っています。

―お誕生会―

我が家では、子どもの頃から家族全員のお誕生会を当たり前かのようにしていました。ケーキと、チョットぜいたくなメニューのお料理を母に作ってもらって。

私は今でもその行事は続けています。

私が自分で立ち上げた老人ホームの目標は
「今まで住んできた家でやってきたことを、続けてやれる居場所づくり」でした。

たとえば、

  • お誕生会も入居者さん全員で祝う。
  • タバコも吸いたい人は吸わせてあげる。(条件付)
  • お酒も晩酌をしたい人はさせてあげる 等々

それで、老人ホームでもお誕生会をご家族と共に、毎月開いていました。

老人ホームが始まって数年経った頃、ある女性 Aさん が入居されてきました。
生涯独身の方です。

今まで「お誕生会」は入居者さんもご家族もとても喜んでくださっているので、Aさんのお誕生会も当たり前のように行いました。
スタッフ全員で書いて、一生懸命シールなどでレイアウトもした寄せ書きをプレゼントしようとしたら
「いりません!」とビシッと断られたそうです。
今まで色紙を拒否された方が一人もいらっしゃらなかったので、そのスタッフは一瞬驚き、でも「みんなで書いたので、見るだけでも見てくださいませんか?」と言ったら渋々受け取ってくださったそうです。

そうして次の日、スタッフがAさんの部屋に入ると、ゴミ箱にその色紙がズタズタにハサミで切り裂かれていたそうです。

私はその報告を受けた時、
「エ~!?」と最初は驚きました。
スタッフたちも「ひど~い!!」と嘆きました。

しかし、その時学習させていただきました。

私たちが良かれと思ってお客様にさせていただいている事が、必ずしも喜んでもらえる訳ではないということを。

私は、常に問いかけます。
これは本当にサービスを受けている側の方が喜んでくださっているのだろうか、と。

私もだんだん入居者さんの年齢に近づいてきて気が付きました。Aさんの気持ちに。

私も元気で誕生日を迎えられた喜びと、
また、これから1年元気で過ごしたい目標とを感じつつ、
誕生日を祝ってもらっていましたが、「介護予防教室」を自分で開いている中で

平均寿命 男性 81.05歳
女性 87.09歳
健康寿命 男性 72.57歳
女性 75.45歳

※2022年調べ

という数字を気にする様になりました。
人間 誰しもあの世に旅立つときが来ます。

Aさんは三姉妹で、姉二人は既に先立たれました。
だんだんその年齢に近づいてきている不安と恐怖を、Aさんは感じずにはいられなかったのではないだろうか?と、私も今になってやっと気づかされました。

何歳まで生きられるのだろう?どんな死に方をするのだろう?

その時までしたいことをして、食べたいものを食べて、楽しく暮らそう!と思っています。

「誕生日」と聞くと、この出来事をいつも思い出します。